値上げしない店は粗悪品を売るしかなくなる

値上げしない未来とは

どうもこんにちは。カケハシフードトラックのゆきち(@yuki_one2)です。

2019年にキッチンカーでクレープ屋さんをしていました。


さて今回はキッチンカー商品の値上げについて考えていこうと思います。

ここ最近食品の価格が高騰しているのはご存知でしょうか。食材を仕入れ、それを加工して販売するキッチンカーには直接関わる問題です。

主な食品の値上げ

今直面している物価高騰の現状と、今後キッチンカーのとるべき対策を考えていこうと思います。

ということで今回のテーマはこちら。

仕入れ価格が高くなったら値上げするべき理由

値上げについて

どれくらい値上げされているのか

まずは2022年2月に入ってからどの商品が、どのくらい値上げしているのかを調査してみます。

  • マルハニチロ/冷凍食品:2~23%値上げ
  • 日本ハム/加工肉:5~12%値上げ
  • 湖池屋/ポテトチップス:6~11%値上げ
  • NIPPN/小麦粉:1.5~9%値上げ

※それぞれ公式ホームページ調べ。

価格高騰の原因

このようにほとんどの食材が値上げされていますが、その大きな理由は原油の高騰と言われています。

原油価格が上がると、その資源を使っている包装資材が値上げされますし、ガソリンも値上げするので、運送コストが上昇します。

ガソリン価格推移
最近のガソリン価格の推移

また中国やインドが、大豆や小麦、トウモロコシなどの穀物を求めて大量に輸入しています。そこに北米の天候不順が続いて、穀物の価格は国際的に上昇しています。

シカゴの大豆相場は、2020年5月に約8ドルでしが、2021年4月には15ドルと、約2倍に高騰しました。

穀物の価格
穀物の価格推移

こういう複数の原因が重なって、日本の食品価格も値上げされているようです。

値上げはしないが給料も上がらない

さてここで問題なのは「原価が高くなっても、消費者には値上げが見えない現状」です。

食品流通の仕組み
食品が我々の手元に届くまでの経路

先ほど紹介したように、冷凍食品や加工肉などのメーカーは値上げをする決定をしていました。

しかし我々の手元に届く食品は、そこまで影響を受けないことがあります。


それは商品を仕入れる小売店が、負担をしている場合があるからです。

一般的に日本人は値上げに対して敏感であり「値上げが消費意欲の減退へと繋がる」と思われています。物が売れないと困るので、小売店は利益を減らして、値上げを阻止しています。小売店の負担はこのままでは、ますます大きくなるかもしれません。

小売店の負担は従業員へ

小売店が利益を上げられないとなると、そのしわ寄せはコストカットになります。主に人件費ですね。

こうなると小売店の従業員は給料が上がらなくなります。収益が減った分をどこかで調整しないといけないですからね。


「値上げが消費意欲の減退へと繋がる」とイメージされていることが、日本の給料が上がらない原因だと思います。

値上げをしない未来

このまま値上げを恐れて、売値を変えない未来はどうなるでしょうか。

まず困窮する人が増えていくでしょうね。

  1. 値上げしない
  2. 給料が上がらない
  3. 物を買おうとしない
  4. 企業が儲からない
  5. 給料が上がらない..

という負のループが出来上がってしまいます。


ある食品卸のトップは「このまま食品の安売りが続けば、いずれ日本は原料が買えなくなり、企業も業界も立ち行かなくなる」との予測もたてています。

世界の消費者物価指数

このグラフでわかるとおり値上げをしないというのは、日本の風潮なのかもしれません。アメリカ、カナダ、ドイツでは最近にかけて、大きく値上げがされています。

値上げをしないというのは、じつは事業がどんどん苦しくなっています。

値上げしてクオリティを上げる

ではこの問題をキッチンカーに当てはめて考えてみます。

小売店は売上が落ちるのを恐れて値上げしないと言いましたが、それでも利益が出なければ値上げせざるを得なくなるでしょう。


そのとき食材を仕入れたキッチンカーはどうなるでしょうか。

値上げをしなければ原価率が上がるので、シンプルに利益が少なくなります。薄利多売が続くので、かなり厳しい経営をすることになります。


もし値上げをしないで原価を落としたくないなら、品質の低い食材を仕入れることになるでしょう。こうなってしまうと、お店の評判が落ちてさらに収益が落ちる可能性が大きいです。


ここで提案となりますが、原価が上がったら同時に値上げをするべきです。高い食材を仕入れて、クオリティを上げて高く販売するやり方がいいかもしれません。

  1. 食材が値上げされた
  2. 販売価格を値上げする
  3. 収益が拡大する
  4. さらに食材を仕入れる
  5. 企業が儲かる
  6. 従業員の給料が上がる
  7. 消費意欲が向上する
  8. 経済が回る

理想はこのような状況です。

原価が上がれば同時に値上げはするべきで、それには消費者を納得させなければなりません。いい品質の商品を高く売る手法が生き残る戦略だと思います。


多くの人が幸せになるには値上げは必須です。

何より我々消費者が値上げに対して寛容にならなければなりません。高いから買うのをやめると、市場には粗悪品しか出回らなくなります。


本当に応援しているお店なら値上げしても利用するべきだし、販売する方も値上げしても応援されるお店を作って行きましょう。

コメントを残す