商工会議所の「創業塾」に参加した結果

創業塾について

どうもこんにちは。

移動販売でクレープ屋をもうすぐ始めるつもりでいるゆきち(@yuki_one2)です。


これからキッチンカーで事業をはじめようとしている方、『法人を作ろうか』とか『公庫から融資を受けよう』とかいろいろお考えだと思います。

かくいう僕も「キッチンカーでクレープ屋をやる」と決めてからは、とにかくいろんな情報を求めていました。もちろん今も収集中です。


その中でも『参加して良かった』と思っているのが「創業塾」です。

創業塾とは、これから起業しようとしてる方の勉強会のようなものです。自治体によってはネーミングが違うかもしれません。

自治体の勉強会なんて意味あるの??

僕も受講する前は半信半疑でした。

しかし、習志野市で開講されたセミナーに参加した感想は『参加して本当によかった』です。


創業塾を終えるとある特典がもらえるのですが、その特典がなくても、非常に価値あるものでした。


それでは今回の記事では「創業塾」とはどういうもので、どんな特典があるのかを紹介していきます。

経験者が語る創業塾のメリット


そもそも商工会が何かを説明しましょう。

商工会とは

地元の大企業も中小企業も、みんなで力を合わせて、住みよく、働きやすい環境にしようとする団体です。個人も含めた、いろんな事業がもっと稼げるように手助けしてれます。


その商工会が主催する創業塾とは、経済産業省が「特定創業支援事業」として認定した事業をいいます。

つまりしっかり省庁にしっかり認められた、経営を学ぶための勉強会が創業塾です。

創業塾修了後の特典

創業塾は勉強できるだけでなく、目に見える特典があります。

1. 登録免許税の軽減

会社を設立するときの「登録免許税額」が半額に軽減されます。

例えば合同会社を設立しようとした場合、登録免許税として6万円が徴収されます。それが半額になるので、修了後は3万円とるわけです。

株式会社は15万円が75,000円にります。


2.日本政策金融公庫での融資の枠が広がる

日本政策金融公庫とは

財務省が管轄する、政府の金融機関のこと。民間銀行では難しい、個人事業主への融資や、コロナ禍では資金繰りに苦しむ企業に無利子で貸付などしてくれた。


創業塾を修了後は融資面での優遇もあります。

  1. 無担保、保証人なしの借入が1,000万円から1,500万円に拡充
  2. 創業2か月前から対象となる、特別な借入を6か月前から受けることが可能
  3. 「新創業融資制度」という制度に申込みが可能に

特典だけでも受講する価値は十分にありそうだね!!

習志野市の創業塾に参加してみた

勉強会

2019年の4月頃、僕はクレープ屋をやりたいと思っていました。

そこでまず検索したのが融資についてでした。どうやら公庫で融資を受ける前に、創業塾とやらに参加するとメリットがあるらしい…

そんな動機で創業塾に参加することにしました。


創業塾の申込み方法は

  1. 習志野商工会議所に電話
  2. 書類が送付される
  3. 申し込み用紙を記入
  4. 参加費を振込
  5. 当日を待つ

そんな順番でした。


参加料は3,000円。

募集人員は30名となっていますが、満員になることは珍しいと思います。誰でも申し込みさえすれば、参加することができる感じです。


創業塾は全部で5回の講義と、1回の実習があります。実習は夏祭りに参加し、僕はテントでソーセージを販売体験しました。

講義5回のうち4回参加すれば修了証がもらえます。

創業塾の雰囲気

初日、集合場所は習志野商工会議所でした。

京成津田沼駅という駅から徒歩15分くらいの位置にあります。


開催は週1回、毎週土曜日だけです。

これが5回あり、1日の受講時間は9:30-16:30です。


長机にいくつか間隔を空けて受講生が座っており、このときの参加者は20名程度でした。

雰囲気はいわゆる、普通のセミナーです。

イメージ

年代的にはおそらく最年少が僕(30歳)で、40代50代が多く、もっと年配の方もいました。男女比率は男性が若干多く、 男6:女4といったところです。

講師陣は中小企業診断士4名で編成されており、各分野でなジャンルを担当しています。

中小企業診断士とは

国が認める唯一の「経営コンサルタント資格」です。会社が成果を伸ばす提案をするのが主な業務です。

創業塾の内容

創業塾のゴールは「創業計画書」を完成させることです。

創業計画書が完成すれば、事業の道すじが見えるだけでなく、融資に必要な書類のひとつが完成することにもなります。


創業塾の講義は、すべてこの計画書を完成させるに繋がっています。

やることは基本的には「話を聞く」ことで、学校の授業と同じです。

講義は全部で5日間あるので、以下その内容を紹介します。

1日目
  • 講師陣の自己紹介
  • 起業したい動機を考える
  • 自分の経験と強みを考える
  • これまでの成功と失敗事例の紹介

初日は講師陣の紹介と、創業塾生の自己紹介から始まりました。

授業のメインテーマは起業についてです。どういう事業で起業していこうとしてるのか、自分自身と向き合うことを教わりました。

ここですべては語れませんが、自分の「好きなこと」「得意なこと」「持っているもの」を書き出し、そこから見えてくるものがあるという話が印象に残っています。

特にやることが決まってない人でも、何かひらめくきっかけになるかもしれませんね。

2日目
  • マーケティングの基本
  • 自分のやりたい事業の傾向
  • 事業のコンセプトを決める
  • 価格決めの重要性
  • 市場調査
  • Webページの作成について

「マーケティング」という言葉に親しみがなかったのですが、これはいわゆる「ものを売るための戦略」のことです。普通に生きていれば、学ぶことがないマーケティングですが、事業にはかなり重要だとわかりました。


2日目、僕は特にインターネットを使った市場調査は知らないことだったので、非常に勉強になりました。

実際に講義で使った、市場調査サービスを添付しておきます。


1.政府統計の総合窓口「e-Stat

このサイトでは商品の市場規模を調べることができます。例えばある地域で出店するとして、そこから半径〇〇m以内の人の人口や世帯、消費統計などを調べることができます。

開業する前に自分のやろうとしている事業が、どれほどの可能性があるのかを調べることができます。

2.業界の今後を天気で表す「業界動向

このサイトは業界ごとに市場規模の成長を、天気図で見ることができます。調子のいい業種は「晴れ」みたいに、視覚的に見れてわかりやすいです。

自分が参入しようとしている業界はどうなのか、ひとつの指標になることでしょう。

3.消費者アンケート「生活定点

博報堂が実施している消費者アンケートを、誰でも見れるようになっています。アンケート内容はシンプルでありながら、時代の変化を感じられる内容になっています。

アンケートを見ているとなかなか面白く、個人の考え方やお金の価値などは年々変わってきているのだなと感じます。

3日目
  • 原価算出
  • 売上算出
  • 経費算出
  • 利益算出
  • 初期費用算出

事業計画表の資金繰りについての勉強です。

計画ではいくらの収益が見込めるのかを、原価から計算していきます。


事業をはじめる前の計画はかなり重要であり、ここで利益が見込めないようであれば、事業を見直すべきです。

僕も細かく計算した結果、クレープ屋をやるとして15分に1個売れれば最低限の収益となることがわかりました。


他にも経営を続けていくにはいくら稼がなければならないとか、どうすれば経営が上手くいくのかなど、具体的な数字で見ていくのは実感がわきます。

4日目
  • 金融公庫の仕組み
  • 現職員が伝える公庫の実情
  • 融資を受けるポイント
  • 創業計画の作り込み

4日目のポイントは、現職の方が来て金融融資の説明をしてくれることです。

金融公庫は個人事業でも借入できる機関なので、これから利用する方も多いはずです。


その審査には創業計画書が必須です。この講義では審査員目線で、書類の書き方を教えてくれました。

5日目-計画書の発表

最終日は受講生が作った計画書を、一人ずつ発表しました。

金融公庫との面談だと思い、自分の事業の強みをしっかりと伝える練習として良かったです。


自分の考えを伝えるだけでなく、他の人の事業内容を聞けるのは勉強になります。

さらに、たくさんの人の前で発表するので、中途半端なプレゼンはできません。しっかり準備する段階で、自分の事業を練ることができます。

発表はアウトプットにもなるので、この時間は貴重なものでした。

5日目が無事終了するとすべての講義は終わりです。4日以上参加すると「修了証」をもらうことができます。

修了書

特典を受けるには修了証が必要

創業塾を受けるメリットのひとつに「登録免許税の軽減」がありましたね。


しかし修了証を提示すれば、軽減の対象になるわけではありません。

修了証も持って市役所へ行き、別の書面を記入し、新しく証明書を公布してもらいます。


そこでもらえる証明証こそが、特典に使える証明になります。よって修了証は大事にとっておきましょう。

販売実習について

創業塾のメインイベントとも言えます。なんと夏祭りの屋台に出店することができます。

屋台のイメージ

そうはいっても、一から自分たちで準備を進めていくわけではなく、すでに用意されている空間で、指定されたものを売るだけです。


ただあのお祭りの雰囲気の中で販売ができるのは、いい経験になり、本当に楽しかったです。

特に僕は移動販売をしたいと思っていたので、目指している事業そのものでした。

屋台で販売したのが地元の特産品、習志野ソーセージです。

ボイルして焼くだけのかんたん調理ですが、味は確かに美味しかったです。

習志野ソーセージ

お祭りの会場は、新京成津田沼駅のイトーヨーカドー付近の公園でした。

朝9:30に集合し、午前組は13:00までの営業です。午後組は13:00-18:00で、全員が表に立つことができました。

ここで学べることはイベント販売の雰囲気と、他の出店者の準備などです。

しかし勉強というよりも、自分が楽しむことがメインになってしまいますね。


売上はこの後の飲み会費に充てられると聞いて、みんな張り切って販売していきました。


結果は…

1本350円のソーセージはなんと700本近く売れ、経費を引いて、自分たちには約7万円の利益が残りました。

あのくらいの忙しさで7万円の利益。ひとつ大きな指標が作れました。


やっぱり人が多く集まる場所では、どんなものでも売れるというのがわかりました。

僕はこの売上の実測が測れたことよりも「あんな場所で自分で営業ができたら、どれほど楽しいだろうか」という、ワクワク感が知れたことが大きかったです。

まとめ

創業塾のメリット

  • 自分のやりたいことが見つかる
  • やりたいことが事業になるのかがわかる
  • 経営の基本を学べる
  • 他の人のビジネスモデルを見れる
  • 販売実習ができる
  • 事業の具体的な数字を見れる

個人的にはこんなメリットを感じました。

さらに地元で「起業したい人」と繋がれるのはすごいことです。勉強にもなり、将来のビジネスパートナーも見つかるかもしれません。


参加費も3,000円と格安なので、週末に時間が取れる人は参加することをおすすめします。

年齢も僕は30歳と最年少でしたが、何歳でも関係ないです。これから独立して事業をやりたいという方は、誰でも参加するといいでしょう。


では創業塾の感想は以上になります。興味がある方は、自分の住む自治体の商工会議所を検索してみてください。

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