『どうせなら儲かる料理を提供したい』
飲食店をはじめる動機は人それぞれですが、利益のことを考えて商材を決める方もいることでしょう。
そんな方向けに、今回はキッチンカーの定番メニューの中で”儲かる料理”をランキング付けしてみました。
“儲かる”というのも曖昧なので、より原価率が低いものに順位を付けてみようと思います。
原価率とは「販売価格のうちの材料費の割合」です。
原価÷価格×100
この公式で導き出すことができます。
作るのに100円かかるものを500円で売った場合の原価率は、20%ということですね。
今回はそんな原価率に注目して、キッチンカーの定番メニューを計算します。
これから飲食店を開業しようとする方は、原価率計算は必須です。この記事で開業を考えるきっかけになれば嬉しいです。
原価率が低い商材ランキング
原価率は価格で決まります。
高く売れば原価率は低くなりますし、安く売れば原価率は上がります。
つまり『この料理の原価率は〇〇%』と決めることはできないのです。
ということでこのランキングは、一般的な食材を使って、市場平均くらいの売値を想定して原価率を算定しています。
ひとつの指標になればいいかなという思いで作成していますので、温かい目でご覧ください。
それでは10位から発表していきます。
10位:フライドポテト
原価率26%
原価はマクドナルドのMサイズポテトを参考にしました。
Mサイズ280円はおおよそ、じゃがいも2個分を使っているそうです。
じゃがいも1つを37円とすると、フライドポテトの原価は74円となります。
よって原価率は26%となりました。
9位:たこ焼き
原価率24%
8個入りのたこ焼きで、おおよそ120円の原価となります。
500円で販売したとして、原価率は24%となりました。
8位:クレープ
原価率22.7%
私自身がクレープ屋をやっていた頃の原価です。
450円のチョコバナナだと102円で作ることができました。
クレープの原価率は22.7%となります。
7位:お好み焼き
原価率22%
たこ焼きとほぼ同じ材料ですが、タコが無いので少し原価が下がります。
お好み焼き一人前でおよそ110円です。
500円で販売した場合の原価率は22%となります。
6位:たい焼き
原価率21%
たい焼き1個あたりの原価は42円程度です。大判焼きとも同じ材料で作れます。
200円で販売した場合の原価率は21%となります。
5位:ピザ
原価率20%
一般的な宅配ピザを参考にしました。
Mサイズのピザで原価は400円ほどです。
2,000円で販売した場合、原価率は20%なります。ピザは売値が高いので原価率も低い傾向があります。
4位:珈琲
原価率14%
珈琲豆1kgは3,000円ほどで購入できます。これで125杯を抽出することができます。
つまり珈琲1杯の原価は43円です。1杯を300円で提供した場合の原価率は14%です。
原価率は低いのですが、珈琲はこだわれば手間が非常にかかります。1杯に時間をかけた分だけ、珈琲の価格は上がっていきます。
番外編:ビール
原価率57%
アルコールの代表、ビールの原価も調べてみます。
ビール10ℓの樽を6,600円で購入できます。
ビール1杯あたり350mℓとすると、その原価は231円です。
1杯400円で販売したとしたら57%の原価率となりました。儲かると言われるアルコール販売ですが、原価率はけっこう高めです。
3位:チュロス
原価率5.7%
ここから一気に原価率が下がります。
15cmのチュロス1本で原価はおよそ20円です。
350円で販売した場合の原価率は5.7%です。
小麦粉料理ですが、クレープと違いクリームやフルーツが必要ありません。ただ揚げて砂糖やシナモンもまぶすだけなので、原価はかなり低いです。
2位:かき氷
原価率3.3%
かき氷は貫目氷という四角い氷を使うことが多いです。
貫目氷ひとつで、大きめのかき氷25杯を作ることができます。
貫目氷は250円で購入できるので、かき氷1杯の原価は10円となります。
300円で販売したとしたら、原価率は3.3%となります。
最近はフルーツやシロップにこだわり、1杯1,000円以上するかき氷も普及してきていますね。
1位:わたあめ
原価率2.7%
原価率が最も低いメニューは綿あめです。なんといっても、ただの綿状の砂糖ですから。
原料となるザラメは1kgを400円ほどで購入できます。
これで50個綿あめが作れるそうです。つまり綿あめの原価は1個あたり8円です。
300円で販売したとしたら、その原価率は2.7%となります。
表面積は大きく、子供に圧倒的な人気があります。お祭りでは500円で販売されていることも珍しくありません。
ということで最小原価率1位は”わたあめ”でした。
原価率が低いメニューの特徴
このランキングから原価率が低くなるメニューの特徴をまとめておきます。
- 小麦粉が原料のメインである
- 揚げ物である
- 世間のイメージで高額なもの
いわゆる”粉もの”は安く作ることができます。
市販の薄力粉だと1kgで130円で購入できますよね。
このランキングでもたこ焼き、クレープ、お好み焼き、たい焼き、ピザ、チュロスが小麦粉メインの料理です。
粉もの料理はあらゆる年代に人気なのです。
次に揚げ物についてです。
小麦粉を揚げただけのチュロスやドーナツは300円の売値が付いていても納得です。原価はあんなに低いのにです。
それは自宅で揚げ物をする手間に原因があると考えられます。
自宅でチュロスやドーナツを作ることはほとんど無いですよね。油の準備や片付けが面倒だからです。
なかなか食べられない揚げ物は小麦粉といえども、強気な値段設定ができるんです。
次に世間で”価格の相場”ができ上がっているメニューについてです。
例えばかき氷と綿あめです。
どちらも原価は低いくせに300円、400円で販売していても何も不思議では無いです。
それは『綿あめだから300円はするか』『かき氷だから400円はするか』という何となくの世間イメージです。
これは昔から時間をかけて作られたイメージで、昔の商売人が頑張って値下げをしなかったんでしょうね。
何となく納得感のあるメニューは原価率を下げやすい傾向があります。
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まとめ
原価率が低いメニューのランキングは以下の通りです。
10位:フライドポテト(26%)
9位:たこ焼き(24%)
8位:クレープ(22.7%)
7位:お好み焼き(22%)
6位:たい焼き(21%)
5位:ピザ(20%)
4位:珈琲(14%)
3位:チュロス(5.7%)
2位:かき氷(3.3%)
1位:わたあめ(2.7%)