どうもこんにちは。
船橋テラスマーケットという50店舗ほど集まるイベントを主催しているゆきちと申します。
今回はキッチンカーや農家さん、ワークショップなどが集まる「マルシェ」を企画したいと考えている方向けに、その方法を5ステップで、わかりやすく解説します。
しかしその前に残念な現実をお知らせします。
『マルシェ運営ではすぐには儲かりません』
マルシェ運営は最初にお金のかかるビジネスで、私も初回は大盛況にもかかわらず15万円の赤字でした。
目先の利益を考えているなら、マルシェ運営はやめておいた方がいいです。
つまり、これからマルシェ運営を軸にビジネスをはじめていこうと思うなら、10年後とかを見据えて企画する必要があります。
「儲けたい」というよりも「出費してもいいから楽しい空間を作りたい」と考えている方が、参考になる記事かと思います。
この記事はどうやってイベントを一から作ったのか、私の体験談を元につづっています。
書いてある方法を実践すれば誰でもマルシェは主催できますので、長期的なイベント運営を目指してぜひ頑張ってください。
【大盛況】船橋テラスマーケット開催のお知らせ
マルシェを立ち上げるまでの5ステップ
- 企画
- 場所の確保
- 出店者集め
- 集客と広告
- 会場の設営
特に難しいのが②場所の確保と、③出店者集めでした。ここには根性と時間が必要です。
それぞれにも細かい注意事項があるので、この順番にゆっくり解説します。
マルシェの企画
- どんなイベントにしたいのか
- なんのために開催するのか
まずはこの二つを考えてください。
私は「船橋テラスマーケット」というマルシェを企画しました。
これはキッチンカーの新しい出店場所を創設するために、ファミリーや子供が楽しめるイベントにしたいという思いで作っています。
最初はぼんやりとでいいので、なんのために、どんなイベントを作りたいのかを考えてください。
主催や後援について
イベントを立ち上げるのが一人の場合は主催者だけになりますが、イベントの規模を大きくしたいなら共催や協力があると心強いです。
船橋テラスマーケットでも、カケハシフードトラックの他に3つの事業所が共催や協力で入っています。
主催とはそのイベントでメインで動くことになる人で、いわゆる責任者です。
共催とは主催者が複数いる状態になります。
後援とは金銭面以外で応援してもらうことで、主に会社の名前を貸してもらうことです。
協力とは金銭面や人的に支援をもらう場合に使うことが多いです。
当然ながら協力してもらう団体が多いほど、イベントのやりやすさは変わってきます。
メインビジュアル作成
企画を考えた後に最初に取り組むことは、メインビジュアルの作成です。
これが無いと誰も付いて来ないです。
言葉だけではイベントが本当に開催するのか、誰も信じてくれません。
『本気でイベントをやるんだ』というのを視覚的に訴える必要があります。
そしてデザインは素人がやらないでください。
間違っても何も知識がない自分でやろうとするのは厳禁です。この先何をやっても上手くいかなくなります。そのくらいデザインは大事です。
メインビジュアルというは、イベントの大枠のデザインです。
例えば船橋テラスマーケットでは、最初にこんなデザインを作ることから始まりました。
ポスターやチラシに使うであろう、メインのデザインとロゴの作成です。
このデザインを持って『こんな感じのマルシェをやりたいんだ』と言うのと、何も持たずに言うのとでは全然違いますよね。
この後の会場の確保や協力者を得るためには、まずメインビジュアルが必要だと感じます。
イベント会場の確保
企画とメインビジュアルが決まったら会場の確保に動きます。
ここはマルシェ開催に向けて、とても難しいポイントです。
キッチンカーが何台も入るような大きな会場といえば、公園が思い付きますよね。公園は利用も無料だったり、安かったりするので絶対に押さえたいところです。
しかし公園は区や市のもちものなので、正当な理由がないと利用させてもらえません。
例えば「防災の意欲を向上したい」とか「スポーツで健康増進したい」など、地域住民にとってプラスになることです。
特定の企業が利益をあげたいという理由で公園を利用するのは難しい傾向があります。
しかし残念ながら、いくら正当性を示しても相手にしてくれないことがあります。
それはあなたが信用できないからです。
区や市にしてみれば、いきなり知らない人が来ても怪しいですよね。
そのためにはまず、周りから賛同を得てください。
つまり後援や協力で公的な団体に入ってもらうことです。
主にその地域の観光協会、商工会、市役所などですね。
こういった団体が後ろ盾になってくれると、イベントに説得力が付きやすいです。
区や市にしてみると『後援に商工会が入っているなら信用できるな』となるわけです。これで会場を押さえる可能性がグッと高まります。
ということで先のことを考えると、まずは協力者を得ることからイベントを始めてみる方がいいかも知れません。
ちなみに船橋テラスマーケットも協力を得て、船橋港親水公園を利用させてもらっています。
もしくは多額を支払ってどこかの大きな会場を押さえてもいいですが、きっと運営は赤字になります。
出店者を集める
会場を押さえるのと同時に、出店者も募集します。
マルシェに出てくれるお店が無いと何も始まりませんからね。
これは誰を呼びたいかで、募集方法が変わってきます。
その中でも絶対に使いたいのはこれです。
- インスタグラム
- ジモティー
これは掲載にもお金がかからず、手軽にできるのでやって損がないです。
しかしこれだけでは、当然いいお店は集まりません。
本当にイベントを盛り上げたいなら、こちらから一人ずつ交渉をしていくことです。
農家さんを呼びたい
マルシェといえば、農家さんに野菜を売ってもらいたいですよね。
農家さんに来てもらうには一人ずつ交渉していくしかありません。そして私が農家さんを探すのに使ったサイトが「食べチョク」です。
ここで地元の農家さんを県ごとに検索します。
しかし農家さんをクリックしても、そこに連絡先は出てきません。
ここに載っている農家さんの名前をさらにGoogleで検索します。そうすると公式ホームページやインスタグラムが出てくるので、一人ずつ交渉していくわけです。
農家さんはそうやって地道に当たっていくのがいいと思います。
集客と広告
さて出店者が集まっても会場に来てくれる人がいないと、売上が立たず出店者の満足度が下がってしまいます。
出店者を集める以上に大事なのが来場者を増やすことです。
船橋テラスマーケットの集客方法は大きく3つです。
- SNS
- チラシ
- ポスター
特に有効だと思うのがチラシとポスターです。
結局イベントでは地元住民がほとんどを占めますので、いかに近所に周知するかが大事です。逆に遠くからわざわざマルシェに来ることは珍しいです。
船橋テラスマーケットではこんなポスターを作りました。
ご覧のとおりメインビジュアルがここに生きてます。
本当にデザイナーさんが綺麗に仕上げてくれました。
SNSでの宣伝
インスタグラムでの宣伝がほとんどでしたが、これがどれほど有効だったかは正直わかりません。フォロワーも少ないです。
ただ出店者の紹介だけは一人ずつ丁寧に掲載しました。
もっと影響力があれば、インスタだけでも集客できるのかもしれませんが、駆け出しなのでSNSはおまけ程度です。先ほどの通り、結局は地元住民がメインターゲットなので、チラシとポスターが有効だと感じました。
チラシ配り
チラシを印刷するのはラクスルのような業者に任せればいいのでかんたんです。
費用は1枚あたり2円くらいなので、かなり安いです。
大変なのはこれを配ることです。
一つの手段としてこれも業者に頼んでもいいと思います。
ただデメリットとしては、枚数が少ないと対応してくれないことと、どこに配ってくれたのか詳しく把握できないことです。
基本チラシを配ってくれる方は、枚数をさばくことでお金をもらう仕事なので、イベントの熱意などはまったくありません。
つまり適当な場所に配っている可能性が高いです。
例えば、私が主催する船橋テラスマーケットは完全にファミリー向けのイベントですので、チラシも子供がいる家庭に配って欲しいと思ってます。
家の外観を見れば、子供がいるかどうかは結構わかるので、チラシを配る場所を選んで欲しいのです。
しかし、業者がわざわざ配る家を選定することはないですよね。
これが大きなデメリットです。
さらに費用もかかるというデメリットを踏まえたうえで、自分で配るか業者に依頼するか選んでください。
マンションにチラシを配る方法
チラシ配りで効率がいいのは、イベント会場の近くのキレイなマンションに配ることです。
新しいマンションはファミリー層が多く、イベントに興味を持ってくれる可能性が高いからです。
しかし新しいマンションは、外部の人が勝手にポストに投函することを禁止されている場合がほとんどです。
そこで最初に管理会社に許可をもらう必要があります。
大きなマンションだと三井不動産レジデンシャルとか、野村不動産パートナーズが管理会社になってたりします。そこにお問い合わせしましょう。
無事に許可がもらえれば、ポストに投函することができます。
ポスターを掲載する
ポスターを貼るのも大変な作業です。
当然ながら好きな場所にペタペタ貼るわけにはいかず、すべての場所に許可を取りに行かないといけません。
貼れる場所の候補としてはこんな場所が考えられます。
- 駅
- ショッピングモール
- コンビニ
- 図書館や公民館
- 街の掲示板
また場所によっては無料で貼らせてくれるところもあれば、有料になってしまうこともあります。
駅は無料で貼らせてくれたこともありますが、ほとんどの場合は有料です。街の掲示板は市役所に担当している部署があるので、予約を取れば2週間くらい掲載させてくれます。
貼れる場所は限られているので、ポスターを大量に注文しすぎないように気をつけてください。
会場の設営に必要なもの
集客方法については以上になります。
次にイベント当日に、会場に設営したものを紹介します。
1.タペストリー
会場入り口にメインビジュアルをあしらった、大きなタペストリーを掲げました。
これがあることにより、イベントを知らなかった人の目を惹くことができ、当日の大きな集客方法になります。さらにイベント自体に箔が付くような気がします。
2.のぼり旗
タペストリーと同じ理由で、のぼり旗も設置しました。最初は4本だけでしたが、今は増やして8本になっています。
のぼり旗も会場にいくつかあると、雰囲気が出ておすすめです。
3.テーブルと椅子
露天やキッチンカーを並べると、食べるスペースが必要になってきます。
例えば会場となる公園にベンチがあればいいですが、何もないと立ちながら食べることになってしまいます。これだと来場した方たちの満足度は下がるでしょう。
簡易的でもテーブルと椅子セットが欲しいです。
セットで購入することもできますが、楽天で2万円くらいします。
さらに購入しても、それを保管しておく場所も必要です。
船橋テラスマーケットは、もともと公園にテーブルと椅子を保管していたのでそれを使わせてもらっています。
保管する場所があり、何度もイベントを開催するなら購入する方がおすすめです。
しかしそれが難しい場合は、業者に依頼することも考えましょう。
もちろんお金はかかりますが、イベント当日の朝にトラックでテーブルと椅子を持ってきてくれる業者もあります。
4.ゴミ箱
イベントで食べ物を提供すると、そのゴミが出ます。
これには私も何度も悩まされました。
最初のイベントでは本部にゴミ箱を自主的に設置して、自宅に持ち帰る方法を取りました。
もちろん一番困るのは私でした。まず自宅にゴミを持ち帰るのは気持ちが悪かったです。そしてプラスチックが多いので燃えるゴミに出しても回収してくれません。
結局ゴミ処理場に持ち込んで有料で処分することになりました。
困るのは私だけなので我慢することもできましたが、これを毎回やっているとモチベーションが下がっていくのでおすすめしません。
次に本部にゴミ箱を設置しないで、飲食店の皆さんでゴミ箱を設置してもらって、それぞれで回収してもらう方法を取りました。
しかしこれだと、食べたものを本部まで持ってきて『ゴミ箱ってどこにありますか?』という問い合わせが多数届きました。
購入したところで捨ててくださいと案内はしたのですが、面倒くさそうな反応が多かったです。
やはり一番の対応は、飲食店にもゴミ箱を設置してもらい、本部や会場の数箇所にゴミ箱を設置することのようです。
そこでゴミを回収してもらう方法を見つけました。
周辺のゴミ処理業者に依頼し、なんとイベント翌日の朝に回収してもらうことが可能だったのです。
それは市から委託されているゴミ回収業者で、いつものゴミ回収ルートのついでに会場まで寄ってもらうわけです。
ゴミ回収費用は一袋400円とのことでしたが、自分で持ち帰って捨てにいくことを考えれば、かなり助かります。
イベントにゴミ問題は絶対に考えなくてはいけないことです。自分たちで処分するのか、出店者に任せるのか、業者に依頼するのか、いろんな手段を考えてみてください。
ということで船橋テラスマーケット会場に設営している主な設備は
- タペストリー
- のぼり
- テーブルセット
- ゴミ箱
となります。またその他にもアンケートを用意して、回答してくれた方にAmazonギフトがもらえる抽選ガラガラを置いたり、季節に応じて本部を装飾したりしています。
これはイベントをやりながら、変えてみると面白いと思います。
マルシェ立ち上げはお金がかかる
ということで、マルシェを立ち上げるのに必要な要素を5ステップにまとめました。
- 企画
- 場所の確保
- 出店者集め
- 集客と広告
- 会場の設営
この手順で私はイベントを立ち上げることができました。
しかしご覧のとおり、とにかく最初はお金がかかります。
マルシェの収益はキッチンカーなどの出店料です。かかる費用はデザインと発注、広告費などがあります。
冒頭でも書きましたが、私の最初のイベント運営の終始はマイナス15万円です。
頑張って出店者を集めて、イベントを企画して、告知もうって、当日は会場で動きっぱなしで15万円を支払っています。
“なぜこんなことをやるのか?”
それは『自分でマルシェを運営したい』という原動力と『10年後はこのイベントで収益を上げてやる』という戦略です。
最初はお金がかかりますが、タペストリーやのぼりは何度も使えますし、マルシェが認知されてくれば広告費もだんだんと下げていけます。
それなのに来場者は回数を重ねていくごとに、口コミなどで増えていってます。来場者が増えると1店舗あたりの売上も増えるので、イベントでの収益も上がっていきます。
つまりこれは“投資”です。
将来に向けて15万円を払えるかどうかの問題になってきますが、それも失敗することもあるのです。
長く成功するマルシェにするかどうかは運営の腕次第ですので、ここはいかにもビジネスらしいなとも思います。
今後は船橋テラスマーケットだけではなく、地元を中心にイベントを少しずつ拡大していこうとも考えています。
地域住民にとって新しいイベントが始まるのはワクワクするものです。ぜひ皆さんもこの記事を参考にしてイベントを立ち上げてみてください。