【ブルースターバーガーに学ぶ】原価率60%で勝負できるのか

高い原価率

どうもこんにちは。カケハシフードトラックのゆきち(@yuki_one2)です。

2019年にキッチンカーでクレープ屋さんをしていました。


さていきなりですが、YouTubeで飲食店のこんなニュースを見つけました。

▶︎高い原価率のハンバーガー店オープン/コロナの影響“逆手”に


東京都の目黒区に新しくオープンしたハンバーガー屋さん、なんとハンバーガーが170円。しかも質素なものではなく、しっかりしたハンバーガーなんです。

それもそのはずで原価率は68%で、つまり材料費に115円もかけています。

ハンバーガー170円
画像:macaroni

通常の飲食店だと、原価率は30%が普通です。むしろそれより低いところもたくさんあります。

今回ブログで紹介したいのは、この飲食業の新しい戦略です。


この試みはまだ成功するかどうかは分かりません。しかしこの時代そった合理的な戦略だと感じています。

このブログでは「BLUE STAR BURGER」が、なぜ高原価で勝負できるのか、その理由を詳しく解説していこうと思います。


そしてキッチンカーに応用できるかまで考えていきます。ということで今回のテーマはこちら。

【原価率60%】コロナ時代の新しい飲食店戦略

イラスト/ハンバーガー

BLUE STAR BURGERについて

まずは原価率60%のハンバーガーを展開している「BLUE STAR BURGER」さんの詳細から紹介します。

運営会社株式会社ブルースターバーガージャパン
親会社株式会社ダイニングイノベーション(焼き肉ライク、つるとんたんなど)
資本金10,000,000円
本社東京都渋谷区恵比寿

ブルースターバーガーの代表は西山泰生という方で、焼き肉の牛角、しゃぶしゃぶ温野菜などを立ち上げた西山知義さんの長男だそうです。

現在BLUE STAR BURGERは東京都の中目黒、渋谷、立川に3店舗、神戸に1店舗、合計4店舗を展開しています。

原価率が高い理由

完全キャッシュレス

現金の受け渡しをなくすことで、本来そこに置くべき従業員がいらないので、人件費の節減ができているようです。

テイクアウト専門

店内に客席がなく、ほとんどが調理スペースになっています。店舗面積が小さいので、つまり家賃が少なく済んでいます

売り切れたら終了

廃棄が出ることが少ないので、食材費に無駄がありません。またメニューも何個かにしぼっているようで、フードロスを徹底的に無くしています。

フロントに人を置かない

注文を取る人もいません。フロントにはタッチパネルを置いており、スマホかそのパネルで注文するようになっています。これも人件費の削減に繋がっています。

結論としては人件費と家賃を削減して、その余白を全て材料費に使っているということです。低価格かつ高品質という矛盾を、このように実現しているようです。

補足:売上が落ちていないマクドナルドに目をつけた

ハンバーガーにしたのは、マクドナルドをかなり意識しているようです。コロナ禍でもマクドナルドは、テイクアウト需要を完全に取り込み、むしろ業績を伸ばしました。

▶︎マクドナルド18ヶ月連続のプラス/売上高9.7%増-21年の既存店

経営赤字になるライン

BLUE STAR BURGERがどのくらい販売しないと赤字になるのか、憶測ではありますが計算してみようと思います。

まずメディアなどによると、平均原価率は50%ということでした。1,000円の商品で500円の粗利があるということです。


続いて人件費ですが、これは完全に予想です。仮に従業員4人で回すとして、時給を1,200円とします。1日の人件費を計算すると..


時給1,200円×12時間×4人=57,600円ということになります。1ヶ月で1,728,000円です。


続いてテナント料ですが、相場を見て1ヶ月で50万円としましょう。

1ヶ月の人件費と家賃で2,228,000円です。


原価率は50%なので、売上で4,456,000円を作らないと赤字ということになります。


「2×2ブルースターチーズバーガーセット」が740円ですが、これを1ヶ月で6,021セット1日200セット売ることが赤字になるかどうかの境界です。

1日の売上は148,000円が最低ラインということになります。

キッチンカーへ応用できるのか

以上の事実から、我々のキッチンカーにも落とし込んでみようと思います。

まずキッチンカーを一人で経営されている方が多いと思いますが、それだと人件費の削減はこれ以上無理です。


しかしキャッシュレスは導入することによって、労力の削減になるのは間違いないです。このブログでもPayPayを推していますが、仕事がラクになります。

「売り切れたら終了」も導入ができそうです。1日で提供する量を決めて、フードロスをなくすことで、食材費をカットできるかもしれません。


そう思うとキッチンカーとは、もともと無駄が少ない形態ですね。飲食店の無駄をなくしたものが、キッチンカーとも言えそうです。

そして「原価率60%を実現できるか」を考えると、キッチンカーでは難しいでしょう。


BLUE STAR BURGERは大量に売ることで、原価率を上げることができていますが、キッチンカーで1日15万円を売り上げるのは現実的ではありません

中目黒などの都心に店舗を構えているというのが、大きな違いです。

不安なところ

経費のスマートさがメリットである反面、価格が安いことは経営者目線として不安があります。

200個販売というのは最低ラインなので、会社として利益を残すためには1日で1,000個は販売したいところです。


従業員はかなり忙しくなるでしょう。価格が安いというのは消費者はもちろん嬉しいですが、従業員の負担はすごいです。

毎日大量に販売することが条件ですが、それが継続できるのかが不安なところです。


しかしダイニングイノベーションという、超一流企業が打ち出した店舗ですから、不安に思うことは無いのでしょう。

新しい戦略として現代にあっているものだと思うので、今後も動向を注目します。

まとめ

ではいかがだったでしょうか。BLUE STAR BURGERの新しい戦略について解説してきました。

まとめると..

  • 完全キャッシュレス
  • テイクアウト専門
  • フロントに人を置かない

で人件費を徹底的に削減し、

  • 売り切れたら終了

という手段で食材の無駄を減らしていることが分かりました。

そしてこの戦略は都心に店舗を構えていることで成立するもので、キッチンカーへの応用は現実的では無いでしょう。


しかし見習うべきこともあって「完全キャッシュレス」と「売り切れたら終了」は真似してもいいのかなと思いました。


もうBLUE STAR BURGERの中目黒店も開業して1年以上が経つようです。一部のメディアでは、最近の人気は低迷してきているとも言っていました。

コロナ禍の新しい戦略がどれほど通用するのか、今後も注目しています。


参考:BLUE STAR BURGER

▶︎https://bluestarburger.com(閉鎖)

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