どうもこんにちは。カケハシフードトラックのゆきち(@yuki_one2)です。
2019年にキッチンカーを経営していました。
さて今回は、キッチンカー購入で失敗しない方法をお伝えします。
こんな構成で記事を書いていきます。
- キッチンカー販売の裏側
- 注意するべきポイント
- 過去の失敗事例
まさに、これから車を買おうとしている人に読んでほしい内容です。
僕は日頃からたくさんのキッチンカーに会い、話し、現場で意見を聞いたりしています。その中で気付いたことがあったので、今回はブログでまとめようと思います。
この記事を作成するのにも、キッチンカーの製作工場に行き、また陸運局や警察、保健所への取材をしています。それなりに信憑性を持ってくれて大丈夫です。
では今回のテーマはこちら。
失敗しないキッチンカーの選び方とは
まず、これからキッチンカーを始め方は知識を身につけましょう。
何も分からずに車を買うと、思わぬ損失を受けます。常に主導権を持つためには知識が必要です。
本題のキッチンカーの選び方の前に、販売業者の裏側から紹介します。
キッチンカーの値段の決まり方
街の車屋さんがどうやって生計を立てているか知っていますか??
正解は工賃と手数料で儲けています。
もっと分かりやすくすると、安く仕入れて高く売るというビジネスモデルです。
車の仕入れ先はいろいろありますが、代表的なところで、千葉県野田市の「USS東京」という施設があります。
ここは巨大な車のオークション会場です。全国からバイヤーが集結し、1日で10,000台以上がオークションかけられ、10億円以上取引されています。
車屋さんはこういった場所から車を安く仕入れて、整備し手数料を上乗せして販売しています。
これが一般的な利益の出し方で、キッチンカー販売もこれと同じです。
- 車を仕入れる
- キッチンカーに改造する
- 手数料を乗せて販売する
まずは販売の流れを押さえておきましょう。
では次にキッチンカーの相場を紹介したいのですが、企業によってピンキリです。
内装のクオリティによって値段は違うので、その値幅を紹介します。
軽バン
値幅:80万円~180万円
フロントマスク(顔)と、塗装が高額です。見た目にこだわらなければ、100万円を切ることもあります。80万円で購入した方もいます。
車両だけなら、30万円程度で仕入れることもできます。
軽トラ
値幅:140万円~360万円
キッチンカー定番の型です。
人気なだけあって、会社によって値段が全然違います。塗装なしでシンプルであれば、100万円台で購入している人がいます。見た目にこだわると300万円を超えます。
車両だけなら、40万円程度で仕入れることもできます。
1.5tトラック
値幅:150万円~450万円
安くオーダーした方で、150万円で購入というのがありました。通常だと安くても300万円は超えてきます。高額なぶん、調理スペースが広く、大型イベントにも対応できます。
車両だけなら、50万円程度で仕入れることもできます。
注意するポイント
次にキッチンカーを購入するときに、押さえておくことを紹介します。
悪質な会社がたまにあるので、知識はかなり重要です。相手に言いくるめられないように、自分で良し悪しを判断しましょう。
キッチンカーを買ったのに、営業許可が取得できなかった。こんなトラブルを聞いたことがあります。
車を買う前は必ず保健所に相談し、必要な設備を確認しましょう。
設備に関しては、自分から指摘できるくらい知っておいた方がいいです。
また2021年6月から、営業許可のルールが大きく変わりました。疑問がなくなるまで、相談しましょう。
一番よくあるトラブルです。
キッチンカーを購入して2年が経つと、車検の更新が待っています。
キッチンカーは見た目にこだわって改造することが多いですが、その結果車検に通らない車になっていることが多いです。
例えばマスクを変えたことによって、規定の長さを超えていたり、高さを超えていたりすることがあります。
車検証と内容が違っていると、任意保険が適応されないことがあり、とんでもない賠償金を負うこともあります。
購入するときに、車検を通ることができるのか、車検証と内容が変わっていないかを確認するべきです。
営業許可が通って、車検に問題がなければ、正解というわけではありません。キッチンカーで最も大事な場所は、調理スペースです。
しっかり「料理を提供するまで」を考えられているか、確認しましょう。どこに何を置くかで、回転率が大きく変わります。
例えば設備の寸法に合わせて、棚の高さを変えることとかが大事です。
あまり知られてないですが、キッチンカーの自動車保険は高額です。
それは車の用途が「営業用」になるからです。保険に加入するかは自由ですが、年間で15万円はかかることもあります。
キッチンカーのナンバーの違い
ここでキッチンカーの車検について、豆知識を紹介します。
4ナンバー/8ナンバー
ナンバープレートの赤枠の先頭の数字、これが「車の種類」を表しています。
例えば、上の写真は”5ナンバー”で、乗員10人以下の小型乗用車が該当してます。
多くのキッチンカーはだいたい2つに分類されます。
それが4ナンバーと8ナンバーです。
- 4ナンバー:貨物用途の小型自動車
- 8ナンバー:特殊用途自動車
キッチンカーとして車検を取るなら8ナンバーになるのですが、4ナンバーのキッチンカーも実はたくさんいるんです。
4ナンバーの車というのは、キッチンカーになる前の姿で車検を取って、その後にキッチンカーに変わったということを表しています。
なぜこのような方法を取るのかというと、車検を変えない方がメリットがあるからです。
例えば、軽トラックは2mを超えると、軽自動車として認定されません。
キッチンカーになる前に車検を取って、その後にキッチンスペースを取り付ければ、4ナンバーのキッチンカーの完成です。
これで2mを超えても軽自動車として認定されます。
4ナンバーのキッチンカーというのは、このように何らかのメリットがあるので、車検後に改造してキッチンカーになっていることが多いです。
ここで軽自動車で車検を取るメリットを解説します。
⑴税金が安い
〈自動車税の比較〉
4ナンバー(軽貨物):毎年/4,000円
8ナンバー(1000cc以下):毎年/23,600円
※税金は変動します。
⑵高速料金が安い
軽自動車は普通自動車に比べて、道路環境に与える影響が少ないので、1割~2割くらい料金が安く設定されています。
先ほどのとおり、4ナンバーのキッチンカーは車検後に改造すると紹介しました。
言いかえると「本来あるべき姿で車検を通さずに、都合のいいように細工してる」とも思われかねません。
ではこれは違法なのでしょうか。
陸運局や警察に取材した結論、これは違法とは断定できないです。
陸運局の回答は『キッチンスペースは荷物と判断できるから問題はない』ということ。
警察からは『4ナンバーの車がキッチンを備え付けてても、過積載でなければ取締ることは無い』とのことでした。
そうなんです。車体自体は2mを超えるとアウトですが、荷物は2.5mまでOKです。
警察は荷物が2.5mを超えると取締ると言っています。
大事なポイントは、キッチンスペースが「荷物となるのかどうか」ということです。ただ荷物の定義がしっかりしていないので、今は合法というのが正解でしょう。
過去のトラブル
ここからは、これまでにあったキッチンカー購入後のトラブルを紹介します。
先ほどの4ナンバーの話をさら超えた事例です。
言い訳ができないほど、車検証と車の内容が違いました。
具体的には、車検証で「乗車定員4人」となっていました。
当然キッチンカーの後部座席は、調理スペースになっているので、多くても2人定員となります。
これは言い訳のしようがない、明らかな虚偽になるので、違法車両と判断されます。
もしこの車両で人身事故を起こした場合、任意保険が適応されないので、大きな賠償金を負うリスクがあります。
結局この方は、内容を指摘し無償で直してもらったそうです。
キッチンカーを納車してもらった初日の雨で、天井から雨漏りがしていた事例です。
じつはこのケース、よくあるようです。
雨漏りを完全に防ぐには技術が必要で、しっかりしていない会社は施工が甘いようです。
さらに悪質だと、改修もしてくれないと聞きました。
こういう技術面では、名のある会社が安心ですね。
同じようなもので、開閉式の扉が壊れたという事例もよく聞きます。
こだわりを持ってオーダーしたものの、完成したらイメージと違っていた事例です。
車は一度作ってしまうと、作り直しには大きな費用がかかってしまいます。デザインは絶対に失敗できないです。
よくイメージを聞かなかった会社が悪いとは思います。
こだわりがあるなら、伝わるまで何度も、イメージのすり合わせをすることが大事ですね。
まとめ
ではいかがだったでしょうか。
失敗しないキッチンカーの選び方というテーマで、会社の裏側、キッチンカーの相場、買う前のポイントを紹介しました。
今回の内容をまとめると、以下のようになります。
製作会社の裏側
- 車両の値段は仕入れ値と手数料で決まる
キッチンカーの相場
- 軽バン:80-180万円
- 軽トラ:140-360万円
- 1.5tトラック:150-450万円
購入する前のポイント
- 営業許可が取れるようになっているか
- 車検に通るようになっているか
- 調理スペースが考えられているか
- 任意保険は高額
過去のトラブル
- 違法な車両だった
- 雨漏りや強度が弱かった
- 仕上がりのイメージが違った
キッチンカーは開業に300万円ほどかかり、そのほとんどが車両の購入費です。こんなにも高額の買い物、失敗するわけにはいきませんよね。
これから車の購入を見据えている人は、ぜひ今回のチェック項目を参考にしてください。
キッチンカー製作に関しては、事実悪い業者もいます。必要なのは知っておくことだと思います。いろんな会社から見積もりを取って、慎重に進めることをおすすめします。