どうもこんにちは。カケハシフードトラックのゆきち(@yuki_one2)です。
さて今回の記事は、キッチンカーの未来について考えていこうと思います。
近ごろの状況下では「キッチンカー需要が増えている」という報道をよく見るようになりました。
いくつか代表的な記事を載せておきます。
▶︎飲食店の多くは苦戦しているのに、なぜキッチンカーは“右肩上がり”なのか
▶︎コロナ前後で7割の人が「テイクアウトの利用頻度は増えた」と回答/テイクアウトをする理由と失敗エピソード
▶︎キッチンカーに活路を見出す飲食業界「コロナ後も伸び代は大きい」
すでにキッチンカーを経営している方からすると..
『同業者が増えて嬉しい』とか
『業界が賑わって嬉しい』など思う人もいるかもしれません。
しかし、実はあまり嬉しいことじゃないかもしれません。
今後キッチンカーが増えるとどうなるのか?
これについて一緒に考えていきましょう。
それでは今回の記事はこちら。
キッチンカーが増えるとどうなるのか??
今後の予測の前に、まずは現状の整理からしましょう。
①日本の人口はだんだん減っている
「年齢区別将来人口推計」
内閣府『高齢社会白書』
ご覧のデータのとおり、内閣府の算出によると、年々人口は衰退することが示されています。しかも減っているのは「60歳未満」で、少子高齢化が加速しています。
②不景気
コロナの時期から、現状までの景気状況を見てみます。
「完全失業者数の前年比」
総務省統計局『労働力調査』
これは総務省から発表された、最近の失業率をグラフにしたものです。コロナの影響を受けて、一気に失業率が増加したのが分かります。
その結果、キッチンカーや個人事業に切り替える人も増えたと推測できます。
『景気動向指数』
内閣府
続いて、景気に関する総合的な指標を見てみます。
2021年から景気は改善傾向にありますが、こちらもコロナの時期に落ち込んでいるのが分かります。
『飲食業コロナ関連倒産推移』
東京商工リサーチ
最後に飲食業の倒産件数の推移をみます。
景気の数値はゲームやテレビの製造業が好調で、最近は回復傾向にあるようですが、飲食業界は大きなダメージを受けたのがわかります。
つまり現状の日本の状況をまとめると
- 人口は間違いなく減少していく
- 失業率はコロナ後増えている
- 飲食業界は壊滅的なダメージを負っている
ということになります。
キッチンカーこれからの予測
以上のデータをもとに、これからキッチンカー業界はどうなっていくのかを予測したいと思います。
まず予測することは、キッチンカー台数が増えるということです。
この予測の根拠としては..
- 失業して個人事業をはじめる人が増える
- 以前より情報が入手しやすく、開業がかんたんになった
- 飲食店開業を夢見る人が多い
ということが挙げられます。
キッチンカー製造会社が、この状況下で製作台数が増加したと発表していました。
またカケハシフードトラックでも、コロナの状況下でキッチンカーの登録台数が増えたので、今後もこの状況は続くのではないでしょうか。
キッチンカーが増えても出店場所が急激に増えることはありません。
ここからは、出店場所の取り合いが加速します。
今まで週3回出店していたものが、登録台数が増えて週2回になり、週1回になりということが予測できます。
場所を持っているオーナーにとっても、同じキッチンカーがずっと出店し続けるよりも、バリエーションが増えた方が嬉しいものです。
実際にカケハシフードトラックでも、違うキッチンカーを出店させたいという声が届きます。
今まで出店したいた場所に、新規のキッチンカーがどんどん参入してくるでしょう。
今はSNSで出店情報を公開する方が多いので、この状況は加速しそうです。
つまりこれまで以上に、出店場所を確保するのが難しくなります。
今後予測されるのは、限られた出店場所を複数のプレイヤーが奪い合う状況です。
競争は激化するでしょう。
今後は人気のキッチンカーと、そうでないキッチンカーの格差が広がりそうです。
料理がおいしくて、見た目もオシャレなキッチンカーは、売り上げやすい場所に招待されます。
しかしそうでないキッチンカーは、有利な出店場所に行くのが難しくなります。
ただ間違えないで欲しいのは、キッチンカー需要がなくなることは無いです。
実力のあるキッチンカーは、これからも伸び続けると思います。
キッチンカー業界は「横の繋がりが大事」とよく言われますが、これからはそんなことも言ってられないかもしれません。
大事なのは「繋がり」ではなく「実力」にシフトしていくでしょう。
これからやるべきこと
しかし落胆することはないです。
「状況が悪くなる」と知っていることは、とても大事なことです。
未来を予測できれば、それに対応する準備ができます。
ここからは、仲介者目線でキッチンカーで勝ち残るための戦略を紹介していきます。
見た目を考える
キッチンカーの外観はとても大事です。
見た目をオシャレにするメリットは、かなりたくさんあります。
- 出店場所のオーナーが喜ぶ
- 料理がおいしそうに見える
- スペースの雰囲気がよくなる
これは人気のキッチンカーに共通していることです。
車を改造する必要まではないですが、看板や小物の配置だけでも印象は違います。
しかし空間デザインなどが苦手な人もいるでしょう。
そんな方は、インスタグラムで「#キッチンカー」と検索して、フォロワーの多いキッチンカーを真似するといいと思います。
もちろんデザインを変えるには費用がかかるので、無理のない範囲で改善していきましょう。
料理のクオリティを上げる
時代が進むにつれて、おいしい料理というのは誰でも作れるようになりました。
それはインターネットの普及で、おいしい料理のレシピが掲載され、誰でもそれを見ることができるからです。
今は昔に比べて、圧倒的においしいものが世の中にあふれ、人々の『美味しい』と思うハードルも上がっています。
つまりキッチンカーの料理もクオリティが求められます。
自分では作れなさそうな、もしくは時間がかかるメニューが求められるでしょう。
キッチンカーに何を求めるか
株式会社3A「キッチンカーの需要調査」
これは2021年に実施された、とあるアンケートの結果です。
見ての通り、人々からは「美味しさ」が求められているのです。
おいしい料理があふれているこの時代で、さらに『美味しい』と思われるものを提供しないと満足はされなくなってきています。
キッチンカーでも同じ料理を作り続けるのではなく、時代が進むにつれてアップデートしていく必要があるでしょう。
本当にいい出店場所は共有しない
出店場所は仲間内で共有するのが当たり前だったかもしれません。
しかし、これからは共有が自分の首を締めることになるかもしれません。
場所を共有するとどうなるでしょうか。
- 出店場所を仲間に共有する
- 仲間がSNSで宣伝する
- SNSを見た人が問い合わせる
- いろんな人が出店する
- 自分が出店できなくなる
気付いたら、自分が見つけた場所に出店できなくなっていた。
こんな未来が予想できます。
ただこの問題は解決が難しいそうです。
もし誰にも共有しなかったとしても、そのうちはバレるでしょう。
なぜなら、まず出店場所を提供しているオーナーは、いろんなキッチンカーに出店して欲しいと思っています。
やっぱり場所を提供しているからには賑わせたいので、いろんなキッチンカーを見てみたいですよね。
そして今のインターネットの拡散力は抑えられません。
黙っていても、一般の利用客がSNSで拡散すれば、探すのはかんたんなことです。
出店場所のオーナーと契約して「他のキッチンカーを入れない」などすることはできそうですが、現実的ではない気がします。
やはり最も力を入れることは、自分を磨くことです。
外観にこだわり、料理をアップグレードしていくのが、一番の近道かなと思います。
まとめ
ではいかがだったでしょうか。
現状のキッチンカーの問題点と将来の予測、そしてこれからできることを紹介しました。
さいごに記事の結論をまとめます。
今の日本の状況
- 人口減少
- 少子高齢化
- 不景気
これからのキッチンカーの予測
- キッチンカー増加
- 出店場所の確保が困難に
- キッチンカーの格差拡大
これからの対策
- 見た目をオシャレに
- 料理をアップグレード
この先はより競争が厳しくなり、弱肉強食の時代になることでしょう。
それによって、生き残るキッチンカーは洗練されて、クオリティの高いお店だけが残ると思います。
この記事のほとんどを”予想”だけで書いてきましたが、確実な未来は、人口減少と、少子高齢化の加速です。
この事実を見て、皆さんはどう考えるでしょうか。
明るい未来とは言えないのは、厳しいですが現実です。
分かっている未来に向けて、今から準備しておくのはとても大事なことだと思います。