どうもこんにちは。カケハシフードトラック代表のゆきち(@yuki_one2)です。
さて今回のテーマは、キッチンカーのデメリットについてです。
メリットはよく語られるんですが、デメリットはあまりピックアップされないですよね。
今回は固定店舗と比較してのデメリットを書いていこうと思います。
広告でよく見かける「固定店舗よりキッチンカー」
これは一概には言えないと思います。
フランチャイズに誘致したいから、キッチンカーの販売に繋げたいからという理由で、都合のいい広告を出すのは健全ではないと思います。
このブログは本音を伝えることが目的なので、これから飲食店を始める方に参考にしてもらいたいです。
キッチンカーがいいのか?固定店舗がいいのか?
いろんな情報を知った上で、自分なりの答えを出してください。
それでは今回のテーマはこちら。
キッチンカーのデメリットとは
キッチンカーのデメリットを、固定店舗と比較して紹介します。
費用が安いというキッチンカーのメリットはよく聞きますが、相応のデメリットがあるのは知っておきましょう。
キッチンカーの開業費用
キッチンカーのメリットのひとつに、開業費用の話が持ち出されることが多いです。
「店舗を持つより低リスク」これはよく言われています。
本当に低リスクなのかを比較します。
こちらにまとめてあるのですが、僕のキッチンカー開業費用は220万円くらいでした。
キッチンカー開業までにかかる費用を大公開【これがリアルガチ】しかし、これでは十分な経営はできませんでした。本気でやっていくにはキッチンカーが小さすぎます。
トラックや内装を考えると、ざっと試算して最初に400万円は必要です。
固定店舗の開業費用
続いて固定店舗の費用です。
駅前の居酒屋やカフェだと、内装を含め1,000万円くらいはかかります。
しかしキッチンカーと駅前のカフェだと、そもそも規模が違いすぎます。
同じ条件で、テイクアウト専門店で考えてみましょう。
まずお店の広さはそこまで必要ないです。
キッチンカーと同じように、窓口とキッチンがあればOKです。
ここで千葉県市川市にあるヤマグチクレープさんを紹介します。
このお店、ビジネスモデルとして、とても参考になります。
自宅を改装して開業し、店舗のスペースはなんと10㎡以下です。
ちなみにキッチンカーより全然広いです。
その開業費用、なんと200万円だそうです。
キッチンカーの半分です。
さらに..
- 天候に左右されない
- 仕込みがラク
- クーラー完備
- 設備が整っている
- 出店料がかからない
というメリットだらけの構造になっています。
ヤマグチクレープを見ると、キッチンカーよりも低リスクなのは明らかです。
この小規模店舗のメリットについて、もうちょっと深掘りしていきます。
固定店舗の大きなメリット
キッチンカーを始めると、予想以上に天候の問題に直面します。
中でも一番の敵となるのが風です。
僕が実際に経験したのは..
- ひっくり返すときにクレープの生地が飛ばされた
- 粉状のトッピングが飛び散った
- 重りをつけていた看板が飛んだ
- クレープの鉄板が温まらない
風が強いとキッチンカーは仕事にならないですが、固定店舗はこの心配が一切ないです。
キッチンカーは前日に仕込みをして、出店日の朝に積み込む作業があります。
クーラーボックスを用意するので、とても面倒くさいです。
固定店舗は”仕込み場所が出店場所”なので、かなりラクです。
この差は本当に大きいです。
また仕込みだけでなく、片付けも快適です。
ほとんどのキッチンカーは車内で洗い物をせず、持ち帰って洗います。
これはなるべく排水タンクに汚水を貯めたくないからです。
なので帰ってからの片付けはとても面倒です..
しかし固定店舗の場合は、いくらでもジャブジャブ洗えます。
僕も何度か間借りしたことがありますが、ジャブジャブ洗えるのは本当に快適でした。
キッチンカーの暑さ問題はかなり深刻です。
屋根が薄い車内の中で調理をするので、夏がとにかく暑く、炎天下での出店だと車内温度は50度を超える日もあります。
この状態は非常に危険な状態です。
扇風機や、スポットクーラーなど対策はできますが、効果は薄いです。
暑い中での調理は、集中力も低下し、仕事に大きな影響をもたらします。
快適な環境を作るには、密閉された場所でクーラーをつける必要があるのですが、それができるのが固定店舗です。
涼しい環境だと、食材にも優しいです。
キッチンカーは車なので、いろんな制限があります。
「重さ」と「収納力」と「電力」です。
重さに関しては、軽自動車は350kgまで、収納は約2.8㎡以内です。
そして電力は発電機によりますが、だいたい1,500Wまでです。
電気は出店先で借りることが多いですが、せいぜい1,500Wまでで、電熱性の製品をひとつ使えばいっぱいです。
しかし固定店舗は制限がありません。
冷蔵庫をいくら置いても重量オーバーにならず、工事の段階でコンセントを増やせば、いくらでも設置できます。
まさに自由です。
わざわざ片付ける必要もありません。
キッチンカーは片付けないと、移動中に落ちて壊れることがありますからね。
ヤマグチクレープのように自宅を改装した場合、出店料やテナント料がかかりません。
ランニングコストが最安値です。
キッチンカーの場合だと、出店料が売上の15%くらい引かれ、ガソリン代やETC代もかかります。
自宅改装は、利益を残しやすい仕組みになっています。
固定店舗のデメリット
しかし固定店舗は一つデメリットがあります。
それは売れない場所で開業したら、とても不利になることです。
キッチンカーのように「明日は違う場所で挑戦してみよう」なんてことはできないんです。
やれることは、今いる場所でどのような戦略を取るかの一点です。
固定店舗はたくさんのメリットがありますが、大きなリスクもあることも理解しておきましょう。
あとご近所さんの目が気になる人も難しそうですね..
結論
- キッチンカーは本当に固定店舗より優れているのか??
- そんなことはない。
キッチンカーでの飲食店開業は、最善策ではない。店舗の環境を考えると、固定店舗の方が優れている。
また開業費用も、店舗を小規模にすれば、キッチンカーよりも抑えられる。
時代に合わせて、テイクアウト専門店になるのも一つの手であるが、開業場所を失敗すると大きな損失になる。
キッチンカーと合わせて、小規模な固定店舗での開業も視野に入れてみてはどうでしょうか。